3月うさぎ

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Finland
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恒例の夏の家族旅行。
今年は森と湖の国フィンランドへ行くことに決まりました。
建築関係者としてはアルヴァ・アアルトの建築を見て廻るのが主なる動機。
集落研究者の旅は今回はお休み。フィンランドには土着的な密集集落はなさそうだしねえ。
子供を喜ばせるネタとしては、ムーミンやサンタクロースの国でもあるし。
西欧諸国はほぼ行き尽くした私も、北欧だけはまだ未踏だった(若い頃から北欧への憧れはあったものの物価の高さでめげていた)ので、フィンランドへ行くのもまったくの初めてです。
しかも、過去5年は(近い順に)スペイン、ベトナム、南イタリア、イギリス、ギリシャと南の国(イギリス以外)が続いたので、ここいらで久しぶりに北ヨーロッパの洗練された文化を見て来るのもいいのではないか?と云うことになりまして。しかも、夏に日本より涼しい国に行けるのはやはり嬉しい。今回はフィンランド航空なので珍しく直行便でヘルシンキまで行けちゃうのも有り難いし。
北のロヴァニエミにも行くのなら、ラップランドにも足をかけて野生のトナカイにでも挨拶してきたいなあ。でも、そこまで行くとちと日程が厳しくなるかも・・・。
まあ、細かいことはこれから練るとして、それも含めて今から夏が楽しみになってきました。
何か、フィンランドに関して、ガイドブックに載ってないような情報をお持ちの方、是非ご一報をお寄せいただけたらと思います。出発は8月です。

写真上は、岩盤をくり抜いて作ったテンペリアウキオ教会。
下は、なぜかうちにあるアアルト夏の家(コエタロ)の紙の模型。
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フィンランド旅行
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さて、いよいよ明後日からフィンランドへ行ってきます。
フィンランドの北のラップランド地方の上はもう北極。
・・・ってことはやっぱり涼しいのかなぁ?
よく分からないけど、ある程度寒い場合のことも考えて上着も持って行きましょう。
お盆は日本で迎えます。
その頃には日本の暑さも山を越してくれていたらいいんだけどな・・・甘いかな・・・。
ところで、フィンランドって日本から一番近いヨーロッパだって知ってました?

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地球
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旅行前最後の更新です。
ではでは、行ってまいりま〜す。
いつも安モンの飛行機ばかり使っているので、遠い遠いヨーロッパですが、
今回は珍しくダイレクトに現地(ヘルシンキ)なのが、嬉しい私です。
でも、飛行機乗ってる時が一番、自分が「地球」に住んでいることを意識させられるので、そこだけは気に入っています。
空から眺めていると、人が住んでいるところなんてほんの少しで、他は大きな海や荒野が延々と繋がっている風景なんですよね。
不毛な大地の中に小さな灯りを見つけると、ほっとして、人が住んでいる場所が奇跡のように思えることがあります。
そして、一つ一つの灯りがとてもとてもいとおしくて、そのすべての灯りの下ではみんなが笑顔で暮らしてくれていることを祈りたいような気持ちになります。
(ま、テトリスにハマッて、祈るどころじゃないときもありますけど。)

イラストは、ブルーノ・タウトの「アルプス山脈」より。「地球」

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森と湖の国 <フィンランド・レポート1>
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森と湖の国フィンランドへ行ってきました。
あちらはもうすっかり秋。
朝の気温は8℃位とか。昼間でも20℃程度。
外で半袖一枚になることはまずありませんでした。

車で走ると、森、森、森・・・とにかくひたすら森が続きます。
逆に言えば、国土のすべてが森で、そこを切り崩して人が住める場所を作っていることがよくわかります。どこもここもが別荘地のよう。
本当に美しい国です。

ヘルシンキ、トゥルク、フィスカルス、ラウマ、ポリ、ノールマック、タンペレ、ユヴァスキュラ、セイナッツァロ、ムーナッツァロ、ミケーリ、イマトラ、ポルヴォー、オタニエミ・・・これらは私たちが訪れた町の名前です。

濃密な旅になりました。
しばらくは、このブログでもsuomi(フィンランド語で言うフィンランド)の旅のレポートをお届けしたいと思います。おつきあい下さいね。


p.s.
まだ寝不足を引きずってぼお〜っとしているので、
今日のところは「ただいま」のご挨拶のみ。
留守中にも沢山メールをいただいていて帰って来た私を温かく出迎えてくれました。
ありがとうございました!
とにかく、元気です。
それにしても、日本のこの蒸し暑さって!!!








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polo <フィンランド・レポート2>
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旅の同行者は、建築家の夫と小学5年生の娘。
娘が1歳の時から、毎年夏にはこのメンバーで海外の一国を選んで旅している。
このメンバーになってからの夏の旅行も、オランダ、スイス、ギリシャ、イギリス、イタリア、ベトナム、スペイン、そして、今年のフィンランドとだんだん年季が入ってきた。赤ん坊+おむつやミルクと一緒に旅行していた頃から比べると、近頃随分しっかりしてきて、今年は助手席に座って、地図を見たり、通りの名前をチェックしたり、なかなか使える旅のパートナーとなってきてくれている。

夫は、大学で建築の設計を教えているが、同時に集落や町並みの研究者という側面もあるため、興味はどうしても観光地には納まりきらず、辺鄙な場所にも度々足を運ぶことからどうしても車の旅が増えてきた。特に北欧は公共の乗り物の運賃も高いので、日数が長くなるとレンタカーの方が割安になってくる。
道はどこもきれいに舗装されているし、標識も判りやすい。ドライバーのマナーも悪くないし120キロくらいはノーマルに出せるので誠に快適。

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今回の旅では、ワーゲンのpoloにお世話になった。
(小型の普通車を希望すると、選択の幅なくコレ!って。勿論マニュアル車。)

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フィンランドの場合、町を少し外れると、とにかく森の中をひたすら走る、という風景になる。そして、道の脇にはこんな風に「トナカイに注意」の看板が当たり前にあるところがフィンランドらしい。




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アパートホテル <フィンランド・レポート3>
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フィンランドのホテル事情はあまりいいとは言えない。
イタリアやスペインには魅力的なホテルが多く絞り込むのが大変なくらいだったが、逆にフィンランドは、ホテルの絶対数も少なく特に夏期ともなるとどこも満室になると脅されたので、今回はほとんど出発前に宿を決めて行った。
大きなホテルにはあまり個性がなさそうだったので、逆に普通の家の雰囲気を味わってみる方が面白そうといくつかB&Bやアパートホテルを利用してみた。

ここは、ヘルシンキのアパートの一室をオーナーが個人的に貸し出ししている部屋。
こんな風にインテリアは明るく北欧モダンにコーディネートされていて、冷蔵庫には翌朝の朝食に必要なものが用意してくれていた。サウナもちゃんとあって、アフターサウナには、小さな庭の椅子に腰掛けてビールを飲むことも出来る。
しかも、とても便利な場所にあるので、ヘルシンキの主要な観光地へはほとんど歩いて廻れる。
オーナーはharadaさん(最近ママになられたばかり!)という日本の方なので、宿泊以外の相談にも乗っていただけて有り難い。ヘルシンキに短期滞在される方にはぜひぜひオススメ!
http://www.asumo.fi/

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主婦としては、何よりこの部屋にあった食器乾燥棚が気に入った。洗った食器を伏せていくとそのまま水滴は下のシンクに落ちて、しかもトビラを閉めるとそのまま収納。
「日本ではこうはいかないよ」と設計者の夫に釘を刺される。乾燥している国だから成り立つんだと。確かにそうだよね。水分そのままにトビラを閉めたら、日本ではすぐにカビが生えちゃって清潔に保つのは大変だものねえ。


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アルヴァー・アアルト <フィンランド・レポート4>
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建築関係者なら、アルヴァー・アアルト(現地ではアルヴァル・アアルトと「ル」をしっかり発音していたが)の名前は知っているだろうが、一般の人となると聞き覚えがない人も多いかもしれない。
ただ、彼がデザインした、曲げ木の家具(ALTEK)や照明なら知らず知らずのうちに目には入っていると思う。今やそれらは北欧家具の代表選手になって世界中に輸出されている。
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今回のフィンランド旅行は、このアルヴァー・アアルトの作品他、フィンランドの建築を見に行きたいというのが一番のテーマ。
彼の作品は、その目で見て体験しないと良さが解らないと言われている、というので私も実際に見るのを楽しみにしていた。
アアルトの作品は彼の死後財団によって守られつつも、予約制ではあるが見学者に解放してくれてもいる。
今回の旅行は、マイレア邸(ノールマック)、夏の別荘コエタロ(ムーラッツァロ)、村役場(サイナッツァロ)、ヴォクセンニスカの教会(イマトラ)、アアルトの自邸(ヘルシンキ)、フィンランディア・ホール(ヘルシンキ)、アアルトのアトリエ(ヘルシンキ)、ユヴァスキュラ教育大学(ユヴァスキュラ)、ヘルシンキ工科大学(オタニエミ)等々しつこくアアルト作品を追い続けたのだからまさに「アアルトを巡る旅」だったと言えるだろう。
勿論、他の設計者の優れた作品にも出会うことができたが、やはりフィンランドの建築はこの突出した建築家がほとんどたった一人で引き上げたと言っても過言ではないだろう。彼は新婚旅行で行ったイタリアに憧れ、また足を踏み入れることができなかった日本にも憧れて、この憧れが設計の手法にも大きな影響を与えている。
一つ、一つの作品についてはまた後ほど改めて。

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この写真は、アアルト自邸の彼の机。
自宅が事務所を兼ねていた時代は、この机からアアルト作品が生まれていた。

当時、彼はこんな言葉を残している。

「幼年時代の机は大きかった。その机はますます大きくなるばかりだった。その上で私は生涯の仕事をしてきた」Alver Aalto




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コエ・タロ <フィンランド・レポート5>
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コエ・タロの話題が出たので、お先に紹介しておきましょう。

コエ・タロというのは、アアルトの夏の家として知られるムーラッツァロの実験住宅(
Experimental House)のこと。
タロというのは、フィンランド語の「家」。

湖に浮かぶ小さな島の林を抜けた湖畔にある。
完全にプライベートな世界。
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母屋から離れた湖の際に伝統的なスモークサウナの小屋を建て、熱くなったら湖に飛び込める贅沢な位置関係。そのサウナの小屋を少し上がると、簡素なタロが現れる。
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レンガ敷きのコートを高い壁で囲い、内部ような独特の空間を作っている。
レンガやタイルの無数のパターンは、アアルトがこの家を実験ハウスとして使った証である。アアルトと夫人は、この庭での焚き火をこよなく愛したと言う。
自然の切り取り方が上手い。

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娘はなんとこのアアルトの別荘で、四ツ葉のクローバーを4本も見つけた。
羨ましくなって私も捜してみると、なんと私も1本!
娘は、生涯で初めての、私はたぶん2回目の四ツ葉のクローバーに出会えたことで、一気にテンションアップ↑↑
誠に幸福な、コエ・タロ訪問記念のプレゼントとなった。
見て!見て!この見事な四ツ葉!
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マイレア邸 <フィンランド・レポート6>
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アアルトファンの皆様(このブログの読者の中にどれだけ居んねん、って気もするが・・・)
お待たせいたしました。
これが有名な「マイレア邸」です。

・・・とは云え、この住宅は現在も親族がまだ時々訪れて使っているとのことで、内部の写真は一切禁止。
しかし、うちの夫が一番見たがっていた住宅である。
確かにこれは写真でいくら見ても、全体像がよく解らない。
ところが、一歩玄関の奥に広がる内部が目に入ったとたん、間違いなくいい住宅だということを実感することができた。
実際、多くの人が同じ思いを味わったのだろう。
アアルトの評価を一気に引き上げた住宅だとも聞いている。

本当は正規の見学スケジュールとは日程が合わず、(何より申し込みの締め切りをだいぶ超えていた)無理を言って、アメリカ人建築家たちの予約の枠に横から入れてもらった。しかもそのアメリカ人たちが大幅に遅刻してくれたので、私たちだけでこの住宅を堪能できたのはとても幸運だったと言えるだろう。

とにかく、このマイレア邸のオーナーは大変なお金持ちで、ピカソやブラックやレジェやカンディンスキーの作品がさもないように並べられている。そしてまたその芸術を解するお金持ちが、アアルトに惚れて、かなり自由にこの家の住宅を任せてくれたところから、この住宅の幸運は始まっている。
アアルトは周囲の林を大事に思い、その林のボキャブラリーが切れないように、家の中の柱なども木立のように配しながら、居ながらにして林を感じられるように設計している。内部の構成は、本当に森の中を歩いているように豊かで意外でワクワクされるものがあり、良質の建築というものはこういうものか・・という充足感に満たされる。

アアルト・ファンの方、是非とも現地に見に行かれるのであれば、この作品は外さないことを勧めます。コエ・タロ同様、ヘルシンキからかなり離れているので、大変といえば大変ですが、、、
でも、正直、この住宅の玄関で、ここで帰ってもフィンランドに来た甲斐はあったと思いました。
まだ、到着後3日目でしたが。

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マイレア邸を描いたカード。




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フィンランド語 <フィンランド・レポート7>
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フィンランドに行くというと、よく聞かれた質問の一つが、「フィンランドって何語話してんの?」というもの。
フィンランドにはちゃんとフィンランド語があるのです。
しかも、それは他の北欧の言葉とはまったく似ていなくて、もっとも近い言語はエストニア語なのだとか。
正式に話すには相当道のりが長そうだが、ほとんど書いてある通りに読めば通じるので、にわかにカタカナ勉強するには意外と向いてなくもない。

実際に発音してみたのは、ヘイ(軽いこんにちは)キートス(ありがとう)ヘイヘイ/モイモイ(バイバイ)くらいだけどね。でも、ヘイが、こんにちはで、ヘイヘイがさよならなんて、なんかeasyすぎない?
ヘイヘイとモイモイのニュアンスの違いを確かめたかったけど、なんだかよく解らなかった。(誰か知ってる人がいたら教えて!)
どちからと言えば、ヘイヘイの方が使用頻度は高かった気がする。
「ヘイヘイ」と発音するフィンランド人が心なしか少し恥ずかしげに見えるのは、私だけの気のせい?

とにかくフィンランド語と言えば、イタイネンという通りがあったり、パーヤネンという名前の人がいたり・・・かなり関西人には親しみ易いものがある。
2週間近くいると読める単語はそこそこ増えます。
それにトイレのトビラに「M」と「N」しか書いていないこともあるので、ある程度前知識はないと急いでる時にはエライ目に会います。

私は一応、新しい国に行く時には、挨拶と数と簡単なメニューと買い物会話くらいは覚えていくことにしています。(えらいでしょ。えへん)韓国へ行くときはハングルもしっかりマスターして行きました。
だって、英語が公用語の国はともかくとして、お互いに母国語でもない言葉を借りていると、なんとなく本質に近づいていけない気がして嫌なのです。だから、最低限「ありがとう」くらいはその国の言葉を使いたいと思うのです。しかも、それまで英語で話していたときは無表情だったのに、その国の言葉をちょっと使うだけで、大抵の人はすごくいい笑顔で返してくれたりするので、短いコミュニケーションにはとても有効だったりします。自分も楽しいし。

フィンランドの公用語には、他にスウェーデン語もあるので、たいてい標識などは、フィンランド語とスウェーデン語の両方で書いてあります。外国人にとってはどうせなら片方が英語ならどんなにいいかと思いますが、そうもいかないようです。

他に笑える単語集としては、パー=頭、カニ=うさぎ、シカ=ぶた、スシ=おおかみ、ロウバ=婦人、プータロ=木の家・・・なんてのがあるようです。
ラテンの言葉もそうだけど、母音で終わる言葉はどうしても日本語とカブルよね。
その分、なんとなく親しみが持てる言語です。

以上、知ったかぶり、デシタ。






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プーロ <フィンランド・レポート8>
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ある日の朝食。
フィンランドの正しい家庭料理は知らないが、ホテルやB&Bで旅行者を迎えてくれる朝食はどこもセレクトに幅のあるコンチネンタル・ブレクファーストのバイキング。
サラダ、卵料理、ソーセージ、ハム、チーズ、フルーツ、シリアル、ヨーグルト・・・は、ヨーロッパのどの国でも同じだが、フィンランドの特徴としては、プーロ(右のどろっとしたお粥みたいなヤツ。
見かけは悪いんですが、要するにあれは麦ご飯のお粥らしい。(牛乳で溶いてあるみたいだけど)暖かくて、塩味のベーコンやマッシュルームなんかと合わせると本当に日本食を食べてるみたいですごく落ち着くのです。フィンランドはパンがイマイチなので、朝はお腹の温まるプーロにしっかりはまりました。
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ムーミ <フィンランド・レポート9>
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フィンランドはムーミンの祖国でもあります。
ムーミンはフィンランドではムーミ(muumi)と呼ばれています。
ムーミンパパはムーミパッパ、ムーミンママはムーミマンマ・・・。
ここまではまだいいのですが、フローレンはニースクネーティ、スナフキンはヌースカムイックネン、スニフはニプス、ミィはピックミュー、ニョロニョロにいたってはハッティヴァティトゥ。。。
もう、全然違います。
日本だけではなくて各国で翻訳が違うのは、娘が自分のお土産に買ったこのポスターを見るとよくわかります。
これを見ていると、こんな短い名前でも、その国によって、耳に納まる「音」というものがあるからか、それぞれ自分たちに都合のいいように翻訳されているので、なんだか面白いものだなあと思いました。
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トゥルクの葬祭場 <フィンランド・レポート10>
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これは「トゥルクの葬祭場」と呼ばれる復活教会である。
英語では、The funeral-chapel of ABO(TURKU)
これはアアルトの作品ではない。
エリック・ブリグマンという建築家によって1941年に建てられたチャペルである。
美しい木立の中にすくっと建っていて、その立ち姿も美しい。
周りは「墓場」。日本の墓場だとどうしても用もないのに立ち入りたくない気分になるものだが、北欧の墓場は墓場までやけに爽やか感がある。これまでに墓場をこれほど心地いいと感じたのは初めてかもしれない。
やけに癒されている自分に気づく。

ドアには無情にこの日が実は教会のお休みの日だと書かれていてショックを受ける。
わざわざ来たのに〜。
ガラスからうらめしく中を眺めるが、ある程度はみえるものの、ある程度以上はよく解らない。(当たり前か・・・)
そんな風に未練がましくウロウロしていて、もう仕方がないかと諦めて帰りかけた時に、裏側の小さな窓に明かりを見つけた。
誰かいる!
ガラスをトントン叩いてみると、中から管理人らしき男性が出て来てくれた。
「中を見せてくれないか」と頼むと、どうやら英語が解らない様子。表情があまり変わらないので、ダメかと思ったら、おもむろに鍵を取り出してくれた。どうやらOKということらしい。
私たちのためにチャペルの照明をつけて、英語の説明書まで渡してくれた。しかも、少し離れた位置にいる小さい娘にまでわざわざその英語のパンフを渡しに行ってくれる。やさしい人だったのだ。(初めコワく思えた顔もにっこり笑うと可愛らしかった。フィンランドにはこういう男性が多い。)
そうして、入れてもらった内部には息を飲んだ。
外からのぞいた時に想像していたのとは別物だった。これだから建築はそこに身を置いてみないと解らないものだな、とあらためて思う。
祭壇のアーチとトップライトが効いている。
神様に抱かれるような柔らかな光。そこでお葬式を挙げてもらったら間違いなく天国にいけそうな空気が立ちこめている。
柔らかな、柔らかな空間。

おじさん、ありがとね。
(・・・こんなショボイ写真では、あの感動が全然伝わらなくて残念。)

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カハヴィラ・スオミ <フィンランド・レポート11>
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ヘルシンキにあるカハヴィラ・スオミに行ってみた。
カハヴィラとは、フィンランド語でカフェ、スオミはフィンランドだから、つまりフィンランド・カフェ。(そのままやないかい)
言わずと知れた、「かもめ食堂」の舞台となったお店である。

実際は、あんな風に北欧デザインの家具や食器が並ぶスタイリッシュなインテリアではなく、もっと庶民的な雰囲気の食堂である。
街路に接したガラスの開口には、「かもめ食堂」と日本語の名前が残されていて、その横には映画の宣伝用のポスターも貼ってあった。

お店は、セルフサーピスだが、日替わりの定食が用意されており、私たちは魚とチキンにじゃがいもとライス(パサパサだけどね)を組み合わせる定食を頼んだ。サラダと飲み物はフリー。(フィンランド全体こうなっているところが多い。)
定食はご覧のとおり、なかなかの迫力。タルタルソースで食べる魚のフライとカレー味のチキンソテーが普通に美味しかった。

ここはもともと町中の一般観光客が訪れる場所からは外れているので、映画の中で旅行鞄が届かなかったマサコさんがぼんやりと前を通りかかるという設定には、実際は少し無理がある。
ただ、あの映画に登場するフィンランド人は、いかにも本当にいそうな典型的フィンランド人だったことをこの旅で実感した。みんなどこか不器用で、それでも決して悪い人間じゃないってところが共通した印象。

映画のファンなのか日本人の姿もパラパラ。そして、地元の食堂なので、地元のフィンランド人(しかも男性客が多い)の常連客をつかんでいそうである。何であれここを訪れる観光客がこうして増えこうして賑わっていることは、あの辺りのゾーンの活性化、あるいは日本とフィンランドの交流のために、すでに一役買ってくれているのかもしれない。

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フィスカルス <フィンランド・レポート12>
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出発前、昨年フィンランドへ行ったばかりという知り合いの造形作家の方にフィスカルスという芸術村があるからのぞいてみたら?と勧められた。
辺鄙な場所だが、各国のデザイナーや芸術家が集まって面白い町づくりをしていると。
なるほど。
確かにガイドブックにも登場しない小さな村だが、気の利いた手作り品のブティックや作家たちのアトリエが立ち並ぶ独創的な村ができていた。
もともとは、ハサミや工具などで有名な「フィスカルス」の工場がここにあったことから、そのままそれが地名になって村全体がフィスカルスと呼ばれるようになったらしい。そこに近づく自然の美しさにもただもう見とれるばかり。
http://www.fiskarsvillage.fi/en/
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cafe+Bed&Breakfast <フィンランド・レポート13>
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芸術村フィスカルスは残念ながら全体的に物価高。
小さなホテルも心地良さそうで惹かれたが、私たちはカフェの2階の民宿(B&B)に宿を取ることにした。

カフェには手作りケーキが並び人気があるようだったが、2階に泊まるのは私たちだけだった。店の人もここには住んでいないので、6時以降はこの家は私たちだけになった。
可愛らしい部屋づくりだが、何分古い建物なので、床は歩くたびに軋む。それでも、地元の人たちの住まい方が覗き見できるようでなかなか味わい深かった。
翌日の私たちの出発予定時刻が7時、なのに朝食は9時からだと言う。じゃあ朝食は諦めようか・・・と私が言うと、いやいやなんとかすると言ってくれた。
店主(写真)が住んでいるのは村から9キロもあると場所だと云うのに(子供時代はこの家に住んでいたらしいが)、嫌な顔もせずに朝は家庭料理の雰囲気のある食卓が私たちを温めてくれた。ーーもしかしたら滞在中一番寒い朝だったのはこの日かも。ヒーターが必要なほどだったから。
その日の朝は、その上雨だったので、店主はすまなさそうに、「ごめんね、せっかく来てくれたのにお天気が悪くて・・・でもいい旅になることを祈っているわ」と優しいmamのように送り出してくれた。
美味しい朝ごはんと良きフィンランド人に出逢えてすっかり身も心も温まってフィスカルスを出発。(繰り返し云うけど、この日は寒かったので。)

ちなみに、私たちが食べたシナモンロール(フィンランド定番)で一番美味しかったのが、ここの焼きたてのもの。コーヒーも美味しくて、カフェの人気が頷けた。
mailto:info@kahvilavanhameijeri.fi
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ヴォクセンニスカの教会 <フィンランド・レポート14>
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イマトラにあるヴォクセンニスカの教会。
夫にどうしても外したくないと粘られて、遠いイマトラへも行ってきた。

写真で何度も眺めたあの白いファサードが見えて来た時にはさすがに胸が高鳴った。
内部は明るく、ダイナミックだが、よく見るとアアルトらしい様々な工夫が随所に散りばめられている。
フィンランドの教会は、伝統にあまりこだわらないらしく(信仰心が薄いという説も・・・)機能性を重視しスタイルにも自由度が高く、神様の場所だからと荘厳になりすぎていないところが特徴と云えば特徴かもしれない。
教会はどこでも、教会であると共に、地域の集会所の機能を兼ねている。
この教会も、祭壇周辺の光の入り方などには雰囲気があるのに、後ろは部屋を2段階に区切れるようになっていて、ビッグバザーの会場になったり、バスケットの試合が行われたりしているのだそうだ。そのおおらかさに驚く。

教会内部に入った時、フルートの調べがたちこめていた。
夏の間、ガイドのアルバイトをしている女性が、誰もいない時間フルートの練習をしていたのだ。
彼女は私たちの姿を見て、急いで止めてしまったが、後で私が「よかったら、もう一度聴かせて!」とリクエストすると快く引き受けてくれた。
教会らしい短調のメロディが反響して胸にしみた。
やはり教会という空間を一番効果的に表現してくれるのは、音楽だという気がする。

旅の最後、ヘルシンキのアアルト自邸のガイドさんとヴォクセンニスカの教会の話題が出た時、へえ?イマトラまで行ってきたの!と少し驚いてもらった。
そして、ヴォクセンニスカの意味は、ニスカが首根っこ、ヴォクセンはその地域の川の名前なのよ、と教えてくれた。
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サウナ <フィンランド・レポート15>
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「サウナ」って言葉、フィンランド語だったって知ってました?

こうして世界的に有名になるくらい、フィンランドにとって「サウナ」はなくてはならないオリジナルなもののようだ。
彼らのアイデンティティを問うと、一番が「森」、二番が「サウナ」なのではないか?と私は勝手に思っている。
とにかく、彼らは、アパートであろうが、学生寮であろうが、個人の住宅であろうが(時にはオフィスにあることも)どこにでもマイ・サウナを持っていて、サウナライフをとても楽しんでいるようである。
サウナと云っても、電気サウナ、スモークサウナ、薪サウナの3種類あるらしい。
ホテルには、1階、2階・・・と順にある中に、サウナ階というのも普通に混じっているのがなんだか笑える。
その代わり、そんなホテルにもサウナとシャワーはあっても、バスタブが付いてることはまずない。お湯だと表面的な汗しか出ないけど、サウナだとデドックス効果で、身体の芯から悪い物をしっかり出してくれることを彼らはちゃんと知っている。
逆に言うと、夏でさえこれだけ涼しく乾燥した国なので、それくらいしないと汗かくことなんてまずないものね。

写真上は、アアルト夏の家(コエタロ)のスモークサウナの待ち合い、下はアパートホテルasumoの電気サウナ。

最後の一泊は飛行機が早朝の出発だったので、空港のホテルに宿泊したのだが、
その空港ホテルのサウナの中でラップランド(フィンランドのずっと北。北極圏の近く)の女性と雑談をした。
その女性は、これから3週間ポルトガルに行ってくるのだと話していた。
だって、ラップランドに住んでたらどんなに待っても一生夏は来ないでしょ。だから夏には会いにいくしかないの、って。
確かにこうなると、夏も涼しくていいわ〜、なんてレベルの話ではないわな、、、



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アアルト自邸 <フィンランド・レポート16>
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ヘルシンキにあるアアルトの自邸。

1933年、ヘルシンキに移り住んだアアルト夫妻が住んだ家。
当初はまだアトリエが設立していなかったので、自宅はアトリエと兼用だったらしい。
同じく設計士だった夫人と仲良く机を並べて作業していた時代を想像するとなんだかほほえましい。

アアルトの自邸とアトリエは、最初に見て、それから作品群を見る旅に突入しようかと思っていたのだが、ヘルシンキのまとまった滞在が後回しになったので、自邸とアトリエは結局最終日に滑り込みで見学することになった。
でも、この順番になったのは、かえってよかったように思う。
いろいろな作品を見て目を肥やした後、最後に原点を見る思いがして、すごく納得がいった。
緑に囲まれ、少しオリエンタルな要素も混ざった落ち着きのある住まいだった。

食卓の椅子は、新婚旅行でイタリアへ行った時に買い求めてきたものだとか。
フィンランド旅行1
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ラウマ <フィンランド・レポート17>
3月うさぎ
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ここはラウマという町。
世界遺産にも指定されている北欧最大の木造集落。
しかし、たたずまい自体はそんなに特別な感じはしない。
とにかくフィンランドには「町並み」と云える景観がほとんどない(家の密集度が低いので、どこもパラパラと建っている)ので、こうして石ではなく木造の家並みが軒を揃えて建っていること自体が珍しいということで評価を得たのかもしれない。
スウェーデンに近いので、かつては商業の町として発達したと云う。
アースカラーの可愛らしい感じの町並みである。
どれを一つ持ってきても、日本だと更に人気が出そう。
大正ロマン期とかにもてはやされた洋風建築に似ている気がする。
・・・逆か。真似をしたのは日本だよね。当然。
フィンランド旅行1
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