やっぱり、レンタカーを借りてから、夫の集落熱が熱くなったようだ。
いくつか廻ると落ち着くのかと思うと、逆に、もっともっと一つでも多くの村を訪れてみたくなるものらしい。
・・・ということで、その日の宿があるワルザザートは、もう目と鼻の先だというのに、
地図を見ながら、この山際の集落がどうなっているのか見てみたいんだけど・・と言い出す。
町に近づいたところで、また山へ・・?と思わなくもなかったが、ま、別にワルザザートの町が見たい!という強い思いもないので、山を目指して走ることになった。
しかも、その道のおそろしいほどまっすぐなことったら・・。
そして、道から地平線まで何もないような・・これ以上のシンプルな風景はない!って思う程一筆書きできそうなさっぱりした道。しかもその風景はかなり走ってもほとんど微妙にしか変わらない。
車ですら走っていない。
こんな場所で車が故障したらもう笑うしかないな・・とか思い始めていたら、
そんな道を歩いている人がいる。
後にも先にもただ道があるのみ、という風景の中に人!!!
しかも昼過ぎの一番暑い時刻、
たいてい、信じられない場所も徒歩で歩いているモロッコ人ですが、
いくらなんでもこの道は・・と思えるほど悲しいほど道しか見えない風景。。
これはもう乗せてあげるしかないでしょう。
ということで、彼は私たちの車に乗り、先の町まで送ってあげることになった。
・・けれど、その町の道しるべが見えた時、
彼はおもむろに「僕の町はここでいいんだけど、君たちはあの山裾の村まで行くんだよね?
もし、その村ただ少し歩いて写真を撮るだけなら、僕も一緒に行ってもいいだろうか。」と言い出したので、一緒に行きましょうか、ということになり、なにやらロードムービーのようになってきました。
気が遠くなる程まっすぐな道。
その道がようやく山にぶち当たるところにこの村はあります。
そして、この道はそのまま背後の山を越えると、マラケシュにまで続いています。
彼もこの村を訪れるのはずいぶん久しぶりだ、と言っていました。