2012.03.09 Friday 23:04
娘が学校からの修学旅行に行っているあいだ、
私もちょこっと四国へ旅行してきました。
四国はもう一足先に春めいて、コートなしで街歩きができました。
少しずつ、「振り返り編」でまとめておきたいと思います。
徳島県の県道32号線から東祖谷の林道を進んでいくと、眼下の山並みを見下ろす山斜面に、釣井集落が広がってくる。その一角でひときわ目を引くのは、築300年の歴史を持つ茅葺きの一軒家、篪庵(ちいおり tiiori)トラスト(徳島県)だ。かつて、日本を愛するひとりのアメリカ人が、東祖谷にやってきた。日本各地を旅したという東洋文化研究者、アレックス・カーだ。アレックス・カーは、初めて徳島県 東祖谷に訪れたとき、その「日本の原風景」ともいえる景観に心を寄せ、東祖谷に定住することを決める。そして、当初、廃墟であった築300年の茅葺きの古民家を、昭和48年(1973年)に購入し、苦節の末、再生することに成功した。アレックス・カーは、その茅葺き屋根を持つ古民家を「篪庵(ちいおり/tiiori)」と名づける。「ち」は、竹の笛を意味し、「庵」は、草屋根の小屋を意味した。
茅葺き屋根を持つ篪庵(ちいおり/tiiori)トラスト(徳島県)の建物の中は、まさしく現代の世とは別空間だ。太い梁、黒光りする床、あたたかい囲炉裏・・。その昔ながらの和の風景は、心に響く趣がある。ユニークなのは、篪庵(ちいおり/tiiori)トラスト(徳島県)では、徳島県の旬の味覚を詰め込んだ「平家弁当」を味わえるほか、宿泊体験もできるようになったことだ(それぞれ要予約)。「徳島県の奥地で昔の日本を体験できる」という噂は口づてで広がり、現在では、篪庵(ちいおり/tiiori)トラスト(徳島県)には、観光客が県外や海外からからも訪れるようになった。平家の落人たちが棲んだとされる徳島県の山懐に抱かれた東祖谷。茅葺き屋根の民家で、囲炉裏を囲みながら、地元でとれた山菜や川魚をいただくひととき。格別であるに違いない。