2008.09.14 Sunday 05:20
ヘルシンキの国立博物館の中にある子どものためのワークショップ。
フィンランドは、ここ数年学力テストが世界一のレベルになっていることで世界から注目を浴びている。
一度くらい学校へも足を運んでみたかったが、これはとうとう叶わなかった。
ただ、ヘルシンキで借りたアパートメントホテルのオーナーのharadaさん(彼女は日本人だがご主人がフィン人。そしてそのお二人の間にハーフの男の子がいる)とその話になった時、その理由として、フィン人は遊ぶ時は遊ぶ、勉強する時は勉強する・・・と集中力が養われている点、それから、とにかくよく本を読む点を挙げていた。
もしかしたら、半年にも及ぶ暗くて長い冬が関係してなくもないのかもしれない。
娯楽が少ないこの国で、生真面目な国民がすることと云うと、ひたすら「勉強」ということになるのも分からなくもない。(最近はITも発達しているようだし)
学校がどう、塾がどうという前に、一人一人の学びの姿勢が違うような気がする。
そのことに加えて、この博物館のワーククショップで感じたのは、遊びの中で学ぶこと(あるいは学びの中で遊ぶこと)も上手なのかもしれないということだった。
この部屋の中では、歴史上の人物、フィンランドの地図がパズルになっていたり、木目のサンプルと木の名前を、また各地の農産物と場所を一致させたり、レンガ(偽物)を積んでみたり、ミニログハウスを組み立ててみたり、機織の機械が使えるようになっていたり、・・・生活のネタそのもので遊べるようになっている。
日々大学生相手に建築の設計を教えているうちの夫が羨ましがっていたのは、フィンランド国内の主な建築物のその名前と時代と設計者当てていくゲーム(上の写真)。こんなもので子どもたちが遊んでいるということに驚いていた。
確かにヨーロッパでは普通のその辺のおばさんや小さな子どもでも、自分の町の建築物やその設計者については当たり前のように知っていることにびっくりする。
こういう風にして、知識と教養があまり意識しないうちに身に付いているのかもしれない。
大人になっても自分の国の建築家の名前を2人と挙げられない我が国とはエライ違いかも・・と、同じ建築関係者としてはベースの部分の違いを思い知る機会にもなった。
日本はフィンランドの学力の高さの秘密を探りたいようだが、そんなに性急に真似できるものと思っているところがまず間違っている。
すべてに渡ってのベースが違いすぎる。
日本は、日本で、自分の国に合った改善法を考えていくべきではないかと思う。