3月うさぎ

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トーベ・ヤンソン <フィンランド・レポート57>
3月うさぎ
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「秋になると、旅に出るものと、のこるものとにわかれます。
いつだって、そうでした。めいめいのすきずきでいいんです。
『ムーミン谷の11月』



ムーミンの生みの親トーベ・ヤンソン。
彼女はヘルシンキの自宅以外に、夏を過ごす小さな小さな家をフィンランド湾の小さな小さな無人島に持っていた。
彼女はそこで55歳から77歳までの22回の夏を過ごしている。

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日本人は孤独を嫌う。
「孤独」に意味があるなんて、誰も云わない。
でも、ムーミンのお話は、孤独を知らない人からは生まれることはないのだと改めて思う。
日本でリメイクされたムーミンは、始終ムーミンと仲間たちのほのぼのした話だった。
でもオリジナルのムーミンはそれだけでない。
一人一人が、実は心に孤独を抱いていて、世界も光と陰が明らかに半分半分でその境界をそれぞれが行ったり来たりしている。それはまるでフィンランドの夏と冬のように、どちらかがあって、どちらかがないなんて考えられないという風に。
おおらかなムーミンパパでさえ、ときどきふと平和すぎるベランダで飲む紅茶がたまらなく嫌になって放浪の旅に出ることがある。包容力の母の代名詞のような世話好きのムーミンママもまた、灯台に住んだ時には手持ち無沙汰のあまり自分を見失い、薪でとりでを作った。でも、またムーミンパパはふらりと家に戻り、ムーミンママもまたいつもの優しい気配りを取り戻す。

子どもの頃、灯台守になりたかったというトーベ・ヤンソンが、もし社交的でパーティにばかり出かけているような生活を送っていたら、賑やかな家族に囲まれていたらムーミン谷の誰一人この世に生まれては来なかったのではないかと思う。
暗い夜の海こそ灯台の灯りの有り難さを心底知っている・・・そういうことなのだと思う。

トーベ・ヤンソンの夏の小屋にはずっと鍵がなかったという。
彼女達がいない間も、航海中に嵐から身を守りたい人やあたたかいコーヒーが飲みたくなった人のために、扉はいつも開けられていたという。
(ただ、ある時、泥棒が立て続けに入り、部屋を荒らしたので仕方なく鍵をつけることになったのだそうだ。)
無人島に住んでこんなことが考えられるなんて。これはまさに「灯台守」の発想。

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小屋の棚からみつかったという箱。

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薬棚のミイ。

写真はすべて、クウネルvol.23「ムーミンのひみつ」より。






フィンランド旅行4
comments(2)
trackbacks(0)
何度もムーミンのお話が出てくるたびに また テレビで放送されないかしら。と思っています。ムーミンをテレビみた記憶はあるのですが いくつぐらいで観たのか覚えていません。たぶん大きくなってから(大人になって)たまたま観たのかも。岸田今日子さんがナレーターをされていたのは覚えてます。
子どもに夢 希望 感動 思いやり 想像を与えてくれるアニメは何度再放送があっても良いと思いませんか。活字離れが言われるこの頃 アニメを見て“その本読みたい!”と思う子だって出てくるんじゃないかしら。親も一緒に楽しめるアニメだったら 会話も増すんじゃないかしらねぇ。
今度本屋に行ったら ムーミンを探してみます。
さっちゃん : 2008/09/18 11:08 AM
本当にムーミンは度々の登場ですね〜 (*´v゚*)ゞ
あはっ、そろそろ呆れられてるかなあとも思いつつ・・・でも私にとって今回のフィンランド旅行はムーミンとの再会の旅とも言えるものでした。
そして、ムーミンは、あらためて子どもも楽しめる大人の本なのだということに気づきます。
大人の方にムーミンに興味を持っていただけて嬉しいです。

日本のムーミンは、私も再放送を見てみたい!と密かに思っていますが、原作からはかなりディフォルメされてしまっているらしくトーベ・ヤンソン本人からクレームが来たという話を聞いています。
たぶん、放映すること自体が難しいのではなかったかかしら?
ちょっと、残念ですよね。
確かに、子どもを育てていると、子どもに見せたい子どもの情操を育むようなアニメがもう少しあってもいいのに・・・という気持ちになります。
ポケモンなんて、戦闘ものだものねえ・・・。
3月うさぎ : 2008/09/18 5:19 PM









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