久しぶりに見かけたグレイハウンドバス/Greyhound Bus。
思わず胸の中に熱いモノがこみあげてくる。(←別に気持ち悪いわけじゃなくって・・笑)
グレイハウンドバスというのは、北米を縦横無尽に走る長距離バス。
むかしは、ジュラルミンのシルバーボディで、もうちょっと小さめの黒っぽいグレイハウンド犬がワンポイントであしらわれてたもうちょっと精悍なかっこいいバスだった。(私の記憶に間違いなければ・・)
その長距離バスの90日の周遊チケットを買って、(ざっと言うと)サンフランシスコ→シアトル→バンクーバー→カナディアンロッキー→ケベック→ボストン→ニューヨーク→アメリカンロッキー→ロサンゼルスとおおまかに北米を一周する旅行を実行。
2度目は、ニューヨーク→イリノイ(ホームスティ)→イエローストーン→サンディエゴ→ロサンゼルスという西向き横断コース。
あの頃は、アメリカというとひたすら自由の象徴で、その上私も若すぎるくらい若くって、お金はないけど体力なら任せといて!って感じで・・・最長このバスの中で連続3泊したりして、必死でホテル代浮かせたりしていた。りんごばっかりかじってね。
それでも、隣の人とお話したり、車窓の風景に見とれたりしていると、全然飽きなかったなあ・・・
親切にしてもらった人に折り紙折ってお礼に渡したら驚いてくれて、周りのみんなに見せたらバス中の人からボクも!私も!とリクエストが来て、なぜだかバスの乗客みんなの分の折り紙を折ったこともあった。
お返しに、抱えきれない程の食糧もらって、私はこれで食べて行こうか?と思った位。
14人兄弟の末っ子っていうおじいさんがいて、その人から13人の兄弟とご両親の話しを一通り聞いた・・ってこともあった。
それくらい時間はたっぷりあった。
子連れの黒人のお母さんの苦労話に2人で泣いたこともあったっけ。
特に中部の砂漠のあたりでは、うつらうつらしていて目を覚ますと奇怪な形をした岩が立ち並んでいて、地球じゃない惑星に来ちゃったか・・と錯覚したことも。
グランドキャニオンとかも素晴らしかったなあ・・
地平線から太陽が出て、また太陽が沈むところを見ると見ていると、だんだん哲学的な気持ちになってくるんだよね。不思議と。
今のアメリカはあんなにキラキラしてないし、私の方もくすんでしまったけれど、それでも、久しぶりにグレイハウンドには乗ってみたくて、どこかで乗ってやる〜!!と画策してみた。しかし、スケジュール的にどうもうまくいかなかった、、
しかも、3人旅になっちゃうとレンタカーの方が安いし、時間も縛られないし・・ってことにどうしてもなってしまう。。
でも、このバスのボディ見ると、なんか条件反射で胸がキュンとしちゃう。
やっぱり、「若者よ、書を捨てて旅に出よ」だよね。
さすがに皮膚感覚というか、
アメリカ大陸の広さを思う時、かならずあのこのままお尻が椅子になっちゃうんじゃないかと思ったあのお尻の感覚と朝と昼と夜の繰り返しを、おばさんになった今でもはっきりと思い出せるんだよ。
日常については、やばい程貧弱な記憶力なのにね。。
旅ってやっぱり魔法がかかってる。