京都在住のイギリス人のRさんと、スイス人のEさんから、
現在賃貸のこの古い日本家屋を購入するかどうか大家さんから提案があったので、
相談に乗ってほしいと依頼された。
家は、かなり古くお風呂もないし、建坪も60平米ちょっとという小さめサイズ。
けれど、周囲はほどよく緑に囲まれていて、鰻の寝床の町家よりも光がふんだんに入るし、
何より静かだ。
長身のお二人には、シンクのサイズのみならず、あちこちのサイズが合っていない感じがするし、冬の寒さもかなりなものだと思われるが、昭和感漂うこの日本家屋のテイストそのものを楽しんでくれてるのだな・・という雰囲気は伝わってくる。
耐震面では絶対に×だけれど、幸いシロアリには食われてないみたいなので、
リフォームでいくらか手を入れれば購入する価値はあるのでは?と、とりあえずお二人に伝えた。
スイス人のEさんが家に望むことが、一般的な日本人の希望(日本人は間取りとか機能を気にすることが多い)と微妙に違っているのが私にはとても面白かった。
Eさんが自分の家に望むこと↓
◯明るく風通しのいい家であること
◯原則、平屋であること
◯道から見た時の家のヴォリュームが小さいこと
◯窓の外の緑が重要だと言うこと
◯モダンすぎないこと
◯(できる限り)天然の素材であること
スイスも80以上の町や村を訪れた私たちには、なんとなくピンと来た。
Eさんは、祖国の山間にあるこじんまりした家を頭に描いているのだだろうと。
・・・そういうスケール感が、彼女には心から落ち着ける住まいなのだろうと。
「女の子にはnest(巣)が必要なのよね」と言ったEさんのつぶやきの意味は深かった。