「いま、女として ー 金賢姫全告白」
文春文庫(上巻)
文芸春秋(下巻)
先日の百万遍の古本まつりの200円の本コーナーで、この本を見つけた。
そういえば、読みたかったのだ・・・とためらいなく購入したら、
それが下巻であることに帰ってから気がついた。
amazonで追って、1円の中古(文庫)の上巻を手に入れ、ようやく読みはじめることに。
半端な気持ちで読めないことは覚悟していたが、
ある意味想像以上だった。
恨(はん)という感情を隠さない南朝鮮(韓国)において、115名の命を奪った大韓航空機爆発犯彼女がなぜ特別赦免が下り生きながらえることができたのか・・・
その疑問がよくやく晴れた気がした。
北で洗脳され任務のし正当性を信じて疑わず、頑として口を割らなかった彼女が、根こそぎ揺さぶられ、すべてを告白する決心をするきっかけになったのが、南朝鮮ソウルを初めて見たことだったというのが意外だった。
ソウルの街へ出て、
「人によく見せようとしてわざと飾ることなく、自然のままに動いている社会であることが直感的に感じられた」というのだ。
そして、その現実の風景に嘘をついていたのは誰かということに目覚めることができたのだと。
1987年の衝撃の航空機事故が明るみに出てから27年。
今も尚、彼女の嘘つきな母国が崩壊もせず国としてのカタチを維持していることが
不思議でならない。