新聞に、ノーベル平和賞を受賞したパキスタンの17歳の少女
マララ・ユスフライさんの原稿が載っていました。
17歳のマララさんにノーベル平和賞を与える判断が正しいことかどうかはともかくとしても、久しぶりに言葉の力を感じるスピーチだったと感じました。
私も、20代に一度パキスタンに行ったことがあります。
わざわざパキスタンを目指したわけではなく、その頃パキスタン航空の南周りの飛行機がヨーロッパに行く一番安いフライトで、トランジットのためにカラチに降りて、3日ほどその地に滞在したというわけです。
一応最低限の市内観光や街歩きもしましたが、驚くべきはその3日の間、一度として女性が外を歩いている姿を見ることがなかったということです。
街は完全に男の人だけで構成されていました。
パキスタンの街が今もそうなのかどうかは判りませんが、その時の異様な感じは今も決して忘れることはできません。
その記憶とつなげて考えると、あの国からこんな頼もしい女性が登場し、こんな力強いスピーチを世界に向けて発信する日が来るとは、かなり奇跡的な気持ちがします。
ただ、一方で、本当にテロリストから彼女を守ることができるのか、汚れた大人たちによってジャンヌ・ダルクの二の舞にならないか、いろいろ心配にもなってきます。
そのようなことにならないように、世界が少しでもマシな方に向かうように見守りたいと思います。
彼女の演説の最後のところを少し抜き書きしておきます。
Dear sisters and brothers,dear fellow children,we must work...and not wait.
Not just the politicians and the world leaders.we all need to contribute. Me,you,
we,it is our duty.
Let us become the first generation to decide to be the last that see empty classrooms,lost childhoods,wasted potentials.
Let this be the last time that a girl or boy spends their childhood in a factory.
Let this be the last time that girl is forced into early child marriage.
Let this be the last time that a child loses their life in war.
Let this be the last time that we see a child out of school.
Let this end with us.
Let's begin this ending.
Together,today,right now,let's begin this ending now.
親愛なる姉妹、兄弟の皆さん。「最後」になることを決めた最初の時代になりました。
空っぽの教室、失われた子ども時代、無駄にされた可能性を目にすることを「最後」にすることを決めた、最初の世代になりましょう。
男の子も女の子も、子ども時代を工場で過ごすのは終わりにしよう。
少女が児童婚を強いられるのは終わりにしよう。
罪のない子どもたちが戦争で命を失うのは終わりにしよう。
教室が空っぽのままなんて終わりにしよう。
こうしたことは、私たちで最後にしよう。
この「終わり」を初めましょう。
そして今すぐここから、ともに「終わり」を始めましょう。
マララ・ユスフザイ