東京タワー
オカンとボクと、時々、オトン
リリー・フランキー
扶桑社
2005年6月初版、その後200万部を超えるベストセラーとなった
リリー・フランキーの自叙伝である。
この本、そして、同じタイトルの映画がドラマが日本中を席巻した時は、
あまり興味を持つ事もなかったが、
先日TVでドラマの再放送をしていた時、筑豊の田舎に住む主人公が東京の美大に入学するというストーリーであることから、録画して同じ道をまさに歩かんとしている受験生の娘と一緒に観てみたら、意外にもはまってしまった。今頃・・・なんだけどね。
凪は、「地方から東京に出る人必見のストーリーだね!」と言って、毎回泣きながら観ていた。
もこみち君と倍賞美津子さんの親子愛には本当に泣かされたけど(映画ではオダギリジョーと樹木希林。これも良さそう!)、冷静に考えると、リリー・フランキー役を速水もこみちというのにはかなりギャップがあるので、これはぜひ原作を読まねば!と、今頃になってAmazonの古本で取り寄せて一気に読んでみた。
さすがに、昭和の筑豊も、ボクも、オカンも、オトンもテレビドラマでは簡単に描けないほど、多味多臭(こんな言葉はないが)。しかし、まことに愛すべき人たち。
トゥルーストーリーというものにはやはり迫力がある。
ーーーーー(前略)東京にいると「必要」なものだけしか持っていない者は、貧しい者になる。東京では「必要以上」のものを持って、初めて一般的な庶民であり、「必要過剰」な財を手にして初めて豊かなる者になる。(後略)ーーーーーーーーーーーーーーー
こんな言葉にどきっとした。
やっぱり、この人はタダモノではない。